ツルブからの手紙

 ツルブからの手紙

西部ニューブリテン島ツルブとはマーカス岬に派遣された歩兵第141聯隊第一大隊が、
第二、第三大隊と共に駐屯し激戦を交わしていた地域である。(詳しくはまた後ほど)
第一大隊がマーカス岬の防衛としてこの岬に上陸していた米海兵隊を岬から逆上陸し撃滅するというまさに過酷な任務であった事は前述の通り。そしてツルブ方面での同聯隊の戦闘もマーカス岬の戦闘と同じく壮絶極まるものであった。

偶然にも同じ聯隊で勤務されていた方の関係者様から新・戦陣の断章宛に一通のメールが届いたのは彼此半年以上前の事である。
その内容は、フィリピンバターン攻略からツルブ戦そしてカ号作戦に基づく転進の詳細を知りたい・・・と云うものであった。そして詳しく聞いてみるとどうも色々と繋がりがありそうな予感がしてきたのは云うまでも無いことだ。戦陣の断章の著者にも改めて資料などをお借りし、私独自のルートで調査。快く資料の提供を惜しまなかったつもりだが、日を追うごとに新たな事実が判明していた。しかしそれは一つの確信となって今日に至ったのである。

新・戦陣の断章~SAMURAI SPIRITS~のインデックスに戦陣の断章という項目があり、その中の第21章「幹部候補生教育のこと」という章があるのだが、著者が乙種幹部候補生(乙幹)の教育指導の任を命じられ指揮していたその中にその身内の方がいらしたのだ!
そしてその方は著書「戦陣の断章」の挿絵を書いていたということがのちに判明した!
嗚呼!なんという偶然であろうか!

「ツルブからの手紙」で戦地から手紙をご子息に宛てた手紙を書いていた主人公の方は残念ながら恐らくこのツルブの激戦地で戦死されたとのこと。一言では言い表せないこの事実に鳥肌が立つ想いである。

さて、この「ツルブからの手紙」の原稿を読ませて頂いた。
私が提供した資料のコピー代は何故だか私が負担したけどね。
結構苦しいみたいなのか、身銭斬りたくないけど情報が欲しいってとこだよね。

当時の手紙が残っているなんてなんという奇跡であろうか!違うね。
その手紙も大変ユニークな内容で戦地の様子や本土に残してきた家族に対する切なる気持ちが入魂されているものであった。それは「絵文字」の元祖といえるだろう。絵文字はその当時からあったのだ!!遠く離れた戦場から送られたその手紙に私は羨ましくさえ思い協力することに決めた訳である。

「まぁ無料奉仕だったね。依頼されたこちらの資料のコピー代すら自腹だったしね」まあいいか。

事実、高級将校でもツルブ、マーカスからは手紙は送れなかったのである。正確に云えば、ツルブ方面は然り、マーカス岬の戦闘開始後は将校でさえ郵便物など送れる事は無かった。ということだ。

戦端が開く前に贈られたささやかなその手紙。筆無精の私からするととても羨ましい限りである。

 昨今、「同じ戦場にいたのなら顔見知りのはず」と安直に思いがちであるが、これは大いに間違いである。軍隊とはなんだかんだ言っても巨大な組織であるわけで一人一人の名前など同じ各小、中、大隊の周辺幹部くらいしかわからない。現在の大手企業とほぼ同じだと想像していただければ納得できると思う。

 もし私が偶然にも戦陣の断章の著者に出会わなければ・・・
 もし私の家系に旧陸海軍将兵、将校、軍属がいなければ・・・
 もし同じ方面で私の祖父や多くの親戚が戦死していなければ・・・
 もし私が何らかの理由でこうした内容に興味を抱かなければ・・・

全てが忘れさられていたのでは無いだろうか?

このツルブからの手紙でまた新たに交友関係を築くことが出来たのは、微力ながら御役に立てたのだなと関係者各位に御礼を申し上げたい!
だが、主張経費は頂く(笑)

「ツルブからの手紙」のイベントは好調で多くの方々が詰め掛けたと連絡があった。
ほんの小さな微力がこの本の出版に役立つことが出来て幸いである。
関係者各位ご苦労を労いたい気持ちで一杯である。

by Switch-Blade




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Commented by H.I at 2007-07-01 19:00 x
 突然ですが、私は歩兵第百四十一連隊第一大隊(大隊長 戸伏長之少佐)の孫になります。母方の祖父にあたるため苗字は異なりますが。
 最近このHPの存在を知り興味深く読んでおります。幼い頃、祖父から戦争の話を聞いた時の事を思い出しましたが、想像絶する世界である事が分かります。
 そこで私は今年の秋に会社から休暇をもらい、ニューブリテン島を訪れたいと思いました。現在の私と同年代時に祖父がいた島に行って見たいと思います。
Commented by switch-blade at 2007-07-02 08:32 x
 H,Iさん こんにちは。
 コメント有難う御座います。はじめまして になる方でしょうか?以前「新・戦陣の断章」にてコメントを下さった方、ではなくてもその方のご親戚のかたと推測します。
 ニューブリテン島行き、それは素晴らしい事ですね。是非ツルブ、マーカス、ラバウル地区を巡ってください。(マーカス岬は外してはなりませんよ^^) 「新・戦陣の断章」内「戦陣写真館」がお役に立てるかもしれませんので是非ご覧下さい。
またお気軽にコメントして頂ければ幸いです。
  
by Switch-Blade | 2007-06-27 21:34 | 「外伝」ニュース | Trackback | Comments(2)

対戦車手段不十分な場合の防御戦闘
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