「外伝」 第三十話 「両刃の軍刀」

 終戦後、豪州軍が進駐してきたことは前述のとおりですが、武装解除が大変でした。
重機関銃以下の小兵器は発動艇で海に捨てるのですが、
     毎日往復して約3ヵ月かかりました。
軍刀、眼鏡、拳銃は別々の洞窟に集積され、番兵が監視していました。
私は軍刀の洞窟担当になりましたが、時々怪しい男がやって来て
番兵に賄賂を握らせて中に入り、好きな刀を探して持って行きました。

    笑ってしまいました。

いちいち柄を外して銘を見たらしいが、分からず、
私に何年前の頃のものか聞いてきましたが、
適当に英語で説明すると喜んで持って帰りました。

私が使えた真野閣下の軍刀は、正宗の両刃でした。
珍しいもので、今シドニーの戦争博物館(?)に展示されております。
年に一度福岡の研ぎ屋さんに研いでもらいに送られてきますが、
閣下の遺族が帰えして欲しいと嘆願しても駄目だったそうです。 
他にも名刀が沢山あって、展示してあるそうです。
一度は見たいと思っていましたが、もう叶いません。

 文字もろくに書けないやつらに、ペコペコするのは本当にいやな思いでした。

  敗戦の辛さですね。             

 両刃で反りのある軍刀は、肩につけられません。
閣下が出かける時にはその軍刀を私が持ってあげました。
その頃はまだ銘までは知らずにいましたので、戦後銘を知って驚いた次第です。
もうシドニーにも行けず残念です。

<真野閣下の軍刀は1450年頃に作られたものらしい。
 両刃とは大変に珍しいものだという。by switch-blade>
 
新!戦陣の断章           
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by switch-blade | 2004-10-13 15:35 | 第二十一話~第三十話 | Trackback | Comments(0)