「外伝」 第二十二話 対戦車訓練

 
第一線の戦場から帰り、

いよいよラバウル地区要塞の建設と敵上陸に備えての訓練です。

訓練の要諦は対戦車攻撃です。一回り大きい戦車を想定しました。
ゴム林に沿った三叉路でどちらから彼等が突入してくるかも訓練にはいりました。
対戦車の武器といっても特にありません。
要は戦車のキャタピラを斬れば行動不能になります。
 キャタピラを破壊する手段として「破甲爆雷」がありました。
直径25センチぐらいでしたかと思います。
今中東で除去に苦労していますね。あれに似たものです。
如何せん、貴重なもですから中東地区のように
何処も彼処にもという状況にはありませんので、そこが日本人の頭のよさ?
竹棒の先にくくりつけて隠れており、戦車がやってくると
背を低くして「やツ」と爆雷をキャタピラの下に差込み破壊させるという戦法です。

        勿論決死の覚悟です。
戦車と一緒に爆死するかもしれませんね。
各部隊の分隊単位に一人担当がいました。待ち伏せのための陣地はとくにありません。
臨機応変に対応出来るように訓練しました。
歩兵以外でも同様の訓練をしたと思います。方面軍からのお達しですからね。

米軍が上陸してくれば当然戦車が主力になると想定していましたから、
対戦車訓練が主な対上陸戦法になっていました。
当然対空戦闘も訓練の対象です。
機関銃の脚を一人が持ち、一人が空に向けて射撃するという原始的(?)なやりかたです。
歩兵にはとても飛行機を攻撃するなどという役目はありませんからね。
しかし超低空でやってくる飛行機には、それなりの攻撃の訓練は必要でした。  
久留米にいるときの訓練は、戦車に沿って一緒に攻撃する定石戦法と戦車が
向かってきた時に飛び乗って天蓋をこじ開けて 手りゅう弾を投げ込むという戦法
でしたが、
後者の場合は最後の手段で、戦車のどの方向から、
また、どこから飛び乗るかが大変でした。
しかしまだその頃はそんな切羽つまった気持ちはありませんから、
恐ろしい気持ちが先にたっていましたね。
しかしマーカス岬の戦場では現実にこれが功を奏したのですから今になって振り返ると
平時の時の訓練は、あらゆることを想定してやるものだなとつくずく思いましたね。

第8方面軍傘下の南方の戦場ではどこでも同じような状況だったでしょうね。  
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※ この写真は国内での演習風景である
 専門家に見て頂いたところ、中々お目に掛かれない大変貴重な写真とのことだ。
 やはり空襲などで焼失したり、長い年月の経過で劣化は避けられないとの事である。
  

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by switch-blade | 2004-09-21 14:59 | 第二十一話~第三十話 | Trackback | Comments(0)