2005年 06月 23日
「外伝」第六十九話 「決戦用」
やり取りしていた際の一文を書いてみようと思います。
「士官学校在校中は、先輩の着た古い服でした。帽子もそれなりに色褪せたもの。
墨で書いた註記(名前のこと)も先輩何人かの名が消してありました。
ところが卒業の2日前には、帽子、洋服全部新品。
すっかり新品見習士官になり晴れて卒業。それぞれ原隊に帰って行きました。
2か月余にわたるよれよれ転進で、上から下までボロボロ。髭も伸びほうだい。
乞食同然の格好でトーマに辿り着いた。
数日休養をとった後、全員に新品の帽子、衣服が2着支給された。
説明によると、
1着は決戦用だという。
つまりラバウルに敵が上陸した時に、この決戦用衣服で最後を迎えるというのだ。
幸い敵さんは上陸せず、決戦用衣服は復員時に持ち帰ることが出来た。
この服も今は既に無い。」
<決戦用と書かれたメールを読んだ瞬間、ゾワッと鳥肌が立ったのを覚えている。
我々が普段使っている「決戦」という言葉とは、まるで比べようのないリアリティーさを
感じてしまった・・・ by Switch-Blade>
by Switch-Blade
| 2005-06-23 18:24
| 第六十一話~第七十話