2004年 09月 18日
「外伝」 第十九話 入隊時
さて、初年兵=二等兵として福山市の西部63部隊に入隊。
母親と連れ立って営門まで・・。そこで母とはこの世のお別れか。
営兵内で私物を脱ぎ捨てて二等兵に。服はだぶだぶ帽子はゆるゆる。
軍隊では服や帽子に体を合わせるのだとか。
私物は家族に持ち帰ってもらった。いよいよ帝国軍人である。
営舎が決まり、班が決まる。小銃、帯剣ほか一式与えられ自分の寝台の上に
きちんと整理をする。
寝具の折りたたみ方を教わり、便所の位置やら班の出入りのときの挨拶なども教わる。
初日の初年兵は、お客様である。古年兵も親切だ。しかし二日目ともなると状況は一変す。
二日目からはお客様ではなくなる。
もたもたしていれば容赦なくビンタがとんでくる。
帝国軍人になったのだから・・・・。
というわけで一兵卒のスタートとなるが、要領のいいもの、動作の早いものはいいが、
その反対のものは当然ビンタの対象となる。
これは総て戦場に於ける動作を訓練していることであり、
古年兵が悪用すると私的制裁となる。
私達は、当初から幹部候補として入隊したこともあり、この辺は心得ており、
助教、助手の古年兵も真剣に教導してくれた。
現在、年配者が昔の軍隊生活を面白く見てもらうため、
悪い面のみ誇張して出版しているのは、私には胸が悪くなる思いがします。
戦場の生活は内地では想像出来ません。
苦労を良い面に変えられるのはいわゆる日ごろ鍛えた軍人精神にあったのです
当時の大和魂がそれでした。
軍人精神は生半可なことでは出来るものではなかったのです。
今では想像出来ないことでしょう。
軍旗(連隊旗)は天皇陛下そのものでした。
死んでも旗手は手から離すことは出来なかったのです。
ですから転進のときの連隊旗手は大変でした。それだけ旗手は名誉なポストだったのです。
著者の入隊時のエピソードである。
「ガツーン」と拳骨が飛んでくる光景が想像出来る。
ここで笑い話を一つ。
以前勤務していた会社での出来事である・・・
ミスの多いある若い新人に対して、注意をした時の事だ。(優しくね)
中略~
新人「これから私に注意をしないで下さい!私は褒められなければ駄目なんです。
だから失敗しても褒めて見守ってください」
信じられないこの言葉に自分は、
ホワイトアウト
していた・・・余りにも時代が変わってしまった・・・・
by Switch-Blade
| 2004-09-18 16:50
| 第十一話~第二十話