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「外伝」 第十八話 現地自活

 
これこそ南方戦線の最も重要な問題点でした。

 ラバウル、ココポ周辺には当初莫大な兵器、弾薬、食糧等を蓄積してあったようですが、
日毎の爆撃によって吹き飛ばされ、われわれのように西部地区に駐留していた部隊には
限度があり、輸送が不如意になるほど不足してきました。
 戦闘が始まった当時も十分ではなかったのですが、日が経つにつれ欠乏していきました。
「カ号作戦」の発動で、ラバウルへの行動が始まる頃には、食糧は底をつき
頼みの舟艇も来てくれず、結局現地で調達ということになったのです
 バナナの芯、椰子の実のコプラ(内側の油皮)と水、果ては現地人が栽培している
タロイモをかっぱらい、河の水を水筒につめ、名もない草の葉や実を食べ食べにて
餓えをなんとか凌いだのです。前述のとおりラバウルまで600キロ余
(これはあとで分かったことですが)
約2か月余りかかってラバウルに終結したのです。
まさに地獄そのものでした。途中で落伍したもの数知れず、ジャングルの中で、
河のほとりで息絶えたものそれはそれは筆絶に尽くせません。
この平和な世の中で説明しても想像できないでしょう。

戦後聞いた話によると、満州の方では食べきれない程の食糧があったと聞きます。
ガダルカナルの戦場と同じで、人肉を食べたという話もまんざらではないことです。
飢餓などという言葉でも現せません。餓鬼畜生といってよいでしょう。
しかしわれわれ将校には軍旗を捧持している者、機密書類を持っている者(私もそうでした)、それぞれ任務を帯びていますから下士官、兵と同じ行動はとれませんでした
              辛かったです。
敵に悟られないように日夜行軍するのですから大変です。
夜濡れた衣服を敵に見つからないように火で乾かし、
朝出発するとものの50メートルも行かないうちに、
また河渡りでビショビショという繰り返しでした。
ラバウル近くに達した頃は、服はボロボロ足は裸足という姿で
とても帝国軍人の面影はありませんでした。
 
我々は、トーマというところに着き、そこで最後の一戦を迎えるべく、訓練に励みます。その頃は一張羅の衣服を与えられ、帝国軍人らしくなった次第です。
それからは前述の通り敵の上陸に備えて猛訓練に入ったのです。


現地調達も餓死との戦いで南方戦場は似たり寄ったりだったのれはないでしょうか。



 【「食料自給率=国力」である。自給率の高い国ほど身勝手である。
この国の豊かさは本物ではないと思う方は一体どれだけおられるのだろうか?】
                                  by Switch-Blade
 
by Switch-Blade | 2004-09-18 15:25 | 第十一話~第二十話

対戦車手段不十分な場合の防御戦闘

by Switch-Blade
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