「外伝」 第十六話 「マングローブ」

 オーストラリアとか日本でも西表島で見られるマングローブが
テレビでよく紹介されています。根が地上に三角形状に張り出し、いかにも固そうです。
下の水は淀んでいるようです。
 私達が、ニューブリテン島の西部ブッシングというところで敵の上陸を
監視かたがた駐留していた時、
マーカス岬に相当部隊の米軍が上陸したとの知らせが入り

早速わが部隊に逆上陸の命が下りました

「戦陣の断章」にも書きましたが、夜陰のこと、大忙しで準備に忙殺され、
不必要なものは焼却し身軽な装備で大発7隻に分乗して出発したのです。
 寒さをこらえ、発動機のエンジンは止めて、棹で静かに進んだのです。
約24キロで夜が明けペイホ岬で一時上陸しました。
 
そこではじめてマングローブの林(?)を見ました。

丁度手先を曲げて広げたような根が張り巡らされ不気味な姿をしていました。
それからまた34キロ、神経を使いながら目的のマーカス岬に到達。
この辺は記録の通りです。
 上陸してからの苦労も書きましたが、そこに待ち受けていたのがマングローブです。
何回この上を渡ったか分かりません。前述のように上が平らな根っこですから
渡り易いのは利点ですが、固いために靴が傷みました..。
 
夜になれば、この根の上で横になった。

これらのことを思い出すと今見るマングローブとは種類が違うことが分かります。
しかしこのマングローブのおかげで何日遅れたか分かりません。(第四話参照)
まさに憎ツくきマングローブであったのです。戦場に着いた時、靴はいかれてしまいました。
私には、ロマンチックとは程遠いものでした。

「外伝」第十六話 「マングローブ」完

   
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by Switch-Blade | 2004-09-15 16:48 | 第十一話~第二十話 | Trackback | Comments(0)