2004年 09月 13日
「外伝」 第十四話
旧軍に、陸軍では士官候補生と幹部候補生、
海軍では海兵出身者と海軍予備学生の制度がありましたね。
前者は所謂職業軍人の卵であり、後者は予備役将校になる学生あがりの卵です。
海軍のことはよく知りませんが、陸軍では士官候補生出身の将校が
どんどん偉くなっていくのは当然です。
幹候出身は謂わば消耗品みたいなもので、戦争が拡大して将校が足りなくなったための
急増品みたいなものです。
しかし、いざ激戦というとき、勇気百倍、実力を発揮したのは大部分が幹候出身者でした。
というのは、お分かりでしょう。職業軍人には出世欲があります。
格好よく立ち回っていれば出世につながるというものです。
幹候出身者は、せいぜい大尉どまりです。しかしそんなことは眼中にありませんね。
どこの戦場でも先頭に立って勇猛果敢に突進します。
小、中隊長クラスですから・・戦死者も当然多くなりました。
海軍航空隊の体当たりの士官は概ね予備学生出身者でしょう。ご存知のとおりです。
こんなぐあいですから幹候、予備学をいくら造成してもどんどん消耗していったわけです。
しかし今、彼らをいくら褒め称えても帰ってはきません。
せめてこんな情けない日本を見ないで「神様」になった方が
よかったと自分を納得させるほかありません。
せめてこんな情けない日本を見ないで「神様」になった方が
よかったと自分を納得させるほかありません。と、最後に書かれているが、
自分はこの最後の二行についてぐうの音も出なかった事をよく憶えている。(^^;)
by Switch-Blade
by Switch-Blade
| 2004-09-13 23:39
| 第十一話~第二十話