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「外伝」第五十七話 「オモイ上陸直後」

ようやくオモイに上陸を完了して人員を再点検した。
一期後輩(8期)の00見習士官の姿が見えないという。
確かに上陸したと数人の兵がつぶやいていた。

すると・・・「ズドン」!!
   
 にぶい音がしたと思うやいなや、兵が跳んで来た。
「00見習士官殿が倒れている」というのだ。一同大騒ぎになった。
「さては敵にやられたか、敵は近いぞ」と一時緊張したが、・・・。
 
   実は拳銃自決だった。

兵に聞いてみると「そういえば船上にいる時から様子がおかしかった」
 
 戦場心理とはよく言うが、恐怖心から来る異常心理に陥っていたのだろう。
可愛そうに・・敵の姿を見ないうちに死ぬとは・・・。
ジャングルの中で指を切りとって形見とし、あとは埋葬してその場を去り、
マーカス岬へと急いだ。ここから敵が上陸した戦場までどのくらいあるのか・・・。
新谷少尉(先輩の6期)を長とする将校斥候3名を派遣して敵情を探ることとした。
その後はマングロープ群生の上を右往左往しながら戦場到達まで無用の長時日を
費やしてしまったのである。

 新谷斥候は、無事任務を果たして帰還。

敵情をつぶさに報告してくれたお陰でその後の行動は、
苦労しながらもスムースに行われて戦場に到達し、新任務に着く事が出来た。

 しかし、上陸地点について上部からの命令に逆らった上、
戦場到達に日時を使いすぎたことで、

    戸伏大隊長は懊悩した。

結果オーライとはいえ、大隊長は後々まで責任の重さに耐えたのである。

<この後、マーカス岬で米軍と交戦し撃退するのだが、命令は命令なのである。
どれだけ軍律が厳しく、規律が高かった事が伺えるエピソードである>
by Switch-Blade | 2005-04-13 17:59 | 第五十一話~第六十話

対戦車手段不十分な場合の防御戦闘

by Switch-Blade
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