「外伝」 第四十八話 「第十七師団 西部ニューブリテン島の作戦」 

 昭和十八年四月上旬、方面軍は西部ニューブリテンの態勢を強化するため、当時ラバウル地区の警備に任じていた第六十五旅団を同地に派遣することとし、その準備を命じた。
第六十五旅団長真野五郎中将(24期)は歩兵百四十一聯隊第一大隊長戸伏長之少佐(44期)を長とする偵察隊を編成しこれをツルブ方面に派遣して、四月末までに同地を偵察するよう処置して進出を準備していたが、五月四日『主力を以て「ツルブ-タラセアに至り、マーカス岬-タラセアを連なる線を含む以西のニューブリテン島及びウインボイ島の警備』を要旨とする方面軍命令(剛方作命甲第二五六号)を受領。
方面軍はこの命令に付随する参謀長支持によって、第十八軍部隊のフィンシハーフェンへの推進計画、飛行場整備計画等所要の事項を示し、同時に旅団司令部以下二一〇名をラバウル発の駆逐艦によってツルブに輸送するように指示し、この先遣隊は五月十三日夜ツルブに上陸した。
(この中には著者が含まれている。)
方面軍のこの処置によって、これまでは見るべき部隊の配備されていなかった西部ニューブリテン島にも一個兵団が進出することになったわけである。
十八年六月末、連合軍はナツソウ湾、レンドバ島に上陸。戦況はにわかに急を告げ航空作戦の不振、補給輸送の困難等が原因し第一線の戦況は日に日に悪化の一途をたどった。
このような第一線特にラエ、サラモア方面の危急は、その後方要地である西部ニューブリテン島の防備強化の要を認めさせることとなったのである。

方面軍は七月二十三日、第六十五旅団に次の要旨の命令を与え、要地確保の任務を明示した。(剛方作命甲第三八九号)
1、方面軍ハ西部「ニューブリテン」「ダンピール」海峡沿岸要地ノ防衛ヲ強化セントス。
2、第六十五旅団長ハ剛方作命甲第二五六号ニ拘ラス主力ヲ以テ「マーカス」含ム以西ノ「ダンピール」海峡沿岸ノ要地及「ウインボイ」島ヲ確保スルト共ニ「ツルブ」飛行場群ノ設定整備竝ニ「ガロベ」「ツルブ」「タラセア」及「ブッシング」附近ノ兵站業務に任スベシ。「カライアイ」「フィンシュハーヘン」間ノ舟艇輸送ニ関聯スル事項ニ関シ、第十八軍司令官ノ区処ヲ受クヘシ。
3、[以下、船舶部隊の区処に関する件-省略]


この命令によって、先に命ぜられたタラセアに対する部隊の配置は中止され、同地飛行場設定計画は放棄された。なお当時ツルブ飛行場は六月下旬で従来の西飛行場の整備作業をおおむね終了し、新たに設定にかかった東飛行場に全力を注いでいた。また、この命令で確保を命ぜられたウインボイ島は、飛行場適地こそなかったが、
ダンピール海峡を制する要地と考えられ、このような処置がとられたのである。



※参考文献 戦史叢書 南太平洋陸軍作戦叢書4 引用
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by Switch-Blade | 2005-02-23 19:06 | 第四十一話~第五十話 | Trackback | Comments(0)