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「外伝」 第三十七話 「ラッパの事」

 軍隊では「寝るも起きるもみなラッパ」という唄があり
またその唄の通り、すべてラッパで行動する事はご存知と思います。
なんといっても起床ラッパが一番イヤでした。屯営でも士官学校でも同じ。
ラッパは始めに必ず連隊号、学校号を吹いてから起床ラッパに入ります。
ラッパ手は、営庭の中央で四方に向かって吹くのです。
 連隊号は最初だけですが、パンパカパーンと吹き出すと、
眠い目をこすりながらガバッ!!と起き
素早く点呼の準備に入ります。
 この間僅か数分。誠に我ながらたいしたものだと思っています。
総てがこの調子で、もたもたしていては軍隊では落伍です。
戦場での行動が総ての基礎になっているからです。
軍隊のラッパのカセットがありますが、「戦陣の断章」にも書いた
将官に対してのラッパが一番好きです。
少将は一回、中将は二回、そして大将は三回吹奏することになっています。
今村大将が、ここは戦場だから吹かなくてよいといって
馬を進めた話は今でも語り草になっていますよ。




<戦陣の断章の著者から送って頂いた多くの
貴重な資料の中から、この一つのエピソードを紹介させて頂いた。
恐らく身支度に五分位だろうか?
もしかしたらそれより短いかもしれない。
自分の実生活とは雲泥の差である。
しかしながら最近頻に生活が整ってきているような今日この頃ではあるが・・・
この今村将軍のエピソード、三十六話でご紹介した
古守氏著「南雲詩」の中でも書かれているので引用させて頂きます。
※1今村大将に対しラッパ手が吹奏を始めようとすると、大将は即座に
ラッパはいらない、ラッパはいらないと兵士をいたわる様に手を振って
中止させられた。この光景は大将の人柄もさることながら
それ以上に決戦を控え極度に緊張したラバウルではもはや
形式的なこと、儀礼的なことをいっているときではなく
将兵も兵も無く、ただ人と人との、魂と魂とのふれあいだけがある事を思わしめた

このように書かれている。

これは聞いた話なのだが、ラッパ手とは元々ラッパが吹ける人物が
ラッパ手になるとは限らないという事だ。
ただでさえ難しいラッパを、ラッパ経験の無い兵士に任命する事が多くあったという。
これはかなりのプレッシャーだ!   by Switch-blade >

※1 古守豊甫氏著「南雲詩」から引用

新!戦陣の断章   
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by switch-blade | 2004-11-29 02:37 | 第三十一話~第四十話