2007年 01月 20日
1等駆逐艦「三日月」と「有明」
早く早くと急かしていた1等駆逐艦「三日月」と「有明」の乗務員。
縄梯子から数人が同時に降りることは、揺れるため思ったほど簡単ではない。
何とか敵機に発見されないうちに海中に飛び降りて、
ツルブのジャンブルに上陸し、「有難う!!」と大声で礼を言った。
聞こえるべくもなく駆逐艦は沖に向かって帰って行った。
その両艦は、「昭和18年7月28日に帰還途中、グロセスター岬沖で座礁し、
ノースアメリカンB25に攻撃されて撃沈されたという。」と戦陣の断章に記した。
執筆当時、その筋から得た情報に基づいて記載したものである。
今、インターネットという便利な情報手段があり、この両艦について検索してみた。
なんと!両艦とも「昭和18年7月28日にグロセスター沖で撃沈された」とある。
われわれを下ろして帰還する途中で・・。
執筆した時の情報の裏付けを戦史叢書やインターネットでも得る事が出来る。
つまり真実だったのである。
今、改めて、あの時のことを振り返ると、ゾッと冷汗の出る思いである。
我々の乗った駆逐艦が、沖合いを航行中または上陸の際に敵機に発見されていたら・・・。
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著者は私に対し常にこのように言っている。
「我々を輸送してくれた艦が・・・と思うと胸が締め付けられる」
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これは私達にも十分に想像出来る
by Switch-Blade
by Switch-Blade
| 2007-01-20 13:03
| 「外伝」ニュース