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「外伝」第五十三話 「福島中隊の邀撃戦闘」

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 早朝からの激しい爆撃にさらされた昭和十八年十二月十五日、マーカス岬一帯はもうもうたる爆煙に包まれていた。そしてこの空襲は「敵上陸」の前兆としてマーカス守備隊約400は、警戒を厳にしていた。十五日未明、岬の基部があるベンガル正面にゴムボートの一群が接近してきた。
米海兵隊公刊戦史によれば15隻とされる。ボートの騒音で、福島中隊の本部、一個小隊および海軍監視隊は即時緊急配備につき、射程内まで引き付け一斉に攻撃を開始した。この攻撃により数隻のボートが沈没したとされ、米側の記録では12隻とされている。このとき対空砲の海軍十三粍機銃の射撃が極めて有効であったとされ、午前三時三十分の頃であったとの事だ。ちなみに当時当日の日の出は午前四時四十分日の出の50分まえである。この後米軍は再び海岸一帯に激しい空襲と猛烈な艦砲射撃を加えてきた。このため海岸陣地は跡形も無く吹き飛び、陣地に留まる事は、困難な状況であった。そして午前五時三十分頃、水陸両用戦車LVT2隻を先頭に上陸してきたのである。これはカニンガム准将指揮下米軍第112偵察連隊戦闘団であった。所在部隊は邀撃に努めたのだが、阻止することは出来ず各部隊間の連絡が途絶えてしまった。圧倒的に優勢な米軍戦力に対し効果的な処置を見出し得ないので、攻撃を再興すべくデイデイモップに後退、近く進出を予想される小森大隊と合流した。(この頃までの負傷者は約90名と記録されている)
海軍航空隊の奮闘も忘れてはならない。
索敵に向かった陸偵から「敵ハ駆逐艦七、潜艇ニ、海上トラック八、大発(舟艇)十、マーカス岬ニ入港中、上空ニハ戦闘機四、高度四千。」との報告あり。邀撃作戦の発動を下令した。
艦爆、戦闘機約五十五機という圧倒的に不利な戦力ではあるが、上空援護中のp-38を排除しつつ攻撃を敢行。輸送船、巡洋艦、駆逐艦、上陸用舟艇、撃沈、炎上合計約五隻の戦果を上げている。



※ 参考文献 引用
・戦史叢書 南太平洋陸軍作戦4
・戦陣の断章および小冊子マーカス岬の戦闘
by Switch-Blade | 2005-03-08 22:37 | 第五十一話~第六十話

対戦車手段不十分な場合の防御戦闘

by Switch-Blade
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